人間模様

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小雨のそぼ降る夜
ちょっとした不注意からお財布を落としてしまった。


すぐに気がついて元来た道を引き帰したが見つからない。。。
近所の交番に駆け込むも届出がない。。。
財布を落とした旨を手短に伝え、もう一度探索のために交番を飛び出した私は自分の不注意さを悔いていました。
事件発覚からほんの5分あまりの出来事でした。

現金は大して入っていなかったのですが、クレジットカード類が何枚か入っていて、それがまずいことにどのカードが入っていたか記憶が定かでないという情けない状況^^;
気の遠くなるような煩雑な作業が頭に浮かびました。


しかし、もう一度巡回するもやはり見つかりません。
諦めモードで先ほどの交番に届けを出そうと行ってみるとガラス越しに私の黄色い財布が届けられているのが目に入り、調度初老の女性が調書を書いている最中でした。


「あ、ありがとうございます」
私の第一声だ。
相手の女性は人生の機微をわきまえたような貫禄のある、気さくな女性だった。

「道に落ちていたので、拾ってみるとずっしりと重かったので中身もあけずに交番に届けたんよ」



さらに事情聴取は粛々と進みこのお名前はどうお読みするのですか?と警察官がその女性に尋ねた。


「つやこって読むんよ」
「私のおじいちゃんがその昔、身分違いで結ばれなかった恋人の名前なんだって」
「艶っぽい名前でしょ?(笑)」

「それはいいですね(笑)」
と私。
「郵便局長の娘さんだったそうでね~がはははは」
と屈託のないことばが返ってきた。



その場に居合わせた誰もが和やかな気分になるような会話。
私は安堵感と感謝からちょっと涙目になっていた。






その後、お礼の気持ちをお渡ししようとすると

「目の前の警察官にあげられ~」
といって固辞されてしまった。



夕方の忙しい時間帯に雨の中を落とし主が困っているだろうとすぐに届けて下さった親切に、雨と一緒に心まで洗い流されるようなすがすがしい気持ちになりました。
世の中まだまだ捨てたもんじゃありませんね。



◆◇◆

この女性のおじいちゃんの若かりし頃と言えば大正時代であろうか。。。遠い昔の恋物語に「はいからさんが通る」の花村紅緒の姿を重ねてしまった。

身分違いの恋は御法度の時代。。。せめて名前だけでもという心根が切ないなぁ。





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